国立大学の授業料が安いという印象を持っている60代以上の方々がいますが、本当に安いのでしょうか。確かに、国立大学の授業料は約53万円/年、私立文系の授業料は約86万円/年で、
30万円強の開きがあることは事実ですが、割合にすれば約1.6倍の開きしかありません。
しかし、60代の方々が20代だった40年前の1975年頃の国立大学の学費は3万6000円/年、私立の平均は約18万円/年でした。
差で15万円ほど、割合にすると約5倍程度も差がありました。
この間、労働者の賃金はどれくらい伸びたかというと、およそ2.3倍程度にとどまります。(賃金構造基本統計参考)
さらにいうと、この間の国民負担率(租税負担及び社会保障負担を合わせた義務的な公的負担の国民所得に対する比率)は1975年の25.7%から2017年には42.5%と、16.8%ほどあがっています。
ざっくりの計算ですが、手取りの割合が当時よりも2割ほど減少しているイメージでしょうか。(手取りは74.3%から57.5%に)
賃金が主要かつほぼ唯一の労働者世帯の家計に対して、大学の授業料負担が与える影響はかなり大きくなっており、
「学費の安い国公立に行けばいいじゃないか」という主張は必ずしも問題が解決する答えというわけではないといえます。
日本では、高等教育は個人の利益だから、利益を受ける人が払えという「受益者負担」の考え方が強い傾向があるのではないでしょうか。
確かに、別のコラムでも言及していますが、学歴と収入には一定の相関関係があり、一番の受益者はその個人であるという言い分にも一定の妥当性はあります。
しかし、見方を変えると収入が多い個人は、それだけ税などの社会的負担も多くなります。 さらには、学んだことをそれぞれが活躍する場で直接間接問わず活かすことで、社会全体の生産性の向上に貢献する可能性があります。 これは、高等教育がその個人の人生だけの利益に留まらず、社会に還元する面もあるといえるのではないでしょうか。
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