【所得格差の拡大】
平成28年の国民生活基礎調査によると、世帯の平均所得金額は545万8千円。所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分する境界線(中央値)は428万円であることがわかりました。 これは、平均所得金額に満たない世帯が61.4%を占めているためで、所得格差が浮き彫りになったといえます。 母子世帯にいたっては、総所得243万円(税引前)が平均的な年間所得であり、貧困世帯による必死の子育てが見て取れます。
【所得格差が子どもたちの進路選びに影響する】
貧困の連鎖を断ち切るためには、子供に然るべき教育を受けさせ、資格を取得させたい・大学に通わせたい。と思っても、先立つものがない。 とくに、地方に住んでいる場合には進学するにも多くの選択肢はなく、県外に出すしかありません。 家賃は支出の大半を占める結果となり、奨学金を借りても、結局はアルバイトなどで学業がおろそかになってしまっては元も子もありません。
昔は下宿という方法もありましたが、現在では少子化のため、子供にはお金をかけてあげたい。という親が多く、 家賃の高いオートロック完備・駅近くのワンルームマンションを借りることも珍しくありません。そのため、下宿というシステムは廃れてきてしまいました。 そういった背景から誕生したのが、「異世代ホームシェアリング」です。 テレビ番組で話題になったことから、若者向けのシェアハウスは広く急速に浸透しましたが、異世代ホームシェアリングは、高齢世帯が空き部屋を格安で若者に提供するという仕組みで、 高齢者と学生が同居する新しいシェアとして欧米では浸透しているシステムですが、日本ではまだ始まって数年程度であまり浸透していないのが現状です。
【一人暮らし高齢者の現状】
一人暮らしで65歳以上の男性は2週間ほとんど誰とも話さないという割合が約6人に1人いるという調査結果もあり、 さらに一人で暮らす65歳以上の高齢者が600万人を超えたことから、この異世代ホームシェアは、当事者だけでなく行政にも注目されています。 学生が同居することで治安面でも心強いですし、高齢者と同居することで学生も地域とのつながりをもつ機会が多くなります。 生活スタイルが違うことや、人とのコミュニケーションが面倒だと感じる人も多いでしょうし、このシステムが浸透するにはまだ時間もかかるでしょうし、 色々なトラブルの事例も出てくると思いますが、これからの少子高齢化と、所得格差、 貧困の連鎖といった社会問題を解決する足掛かりになる取り組みとしておおいに期待されるところも多いのではないかと考えられます。
【わんるーふで異世代ホームシェア】
異世代ホームシェアは、空き部屋を抱える高齢者宅で、自宅外学生となる人たちが家賃無料ないし非常に低廉な対価で一緒に住まう居住形態です。
自宅外学生にとっては毎月負担する家賃部分を大きく削減し、毎月の生活コストを最大3割ほど軽減する効果が見込まれます。
わんるーふは、厳しい経済状況でも進学しようとする若者と、異世代ホームシェアのためのお部屋を提供することで応援していただける高齢者の方の双方をマッチングすることで、 この社会の中で、民間社会保障ともいえる仕組み作りを目指しています。
ご興味がある方は、わんるーふまで是非お問合わせください。